徳井正樹の「小坂山日記」

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2010年 12月 28日

マイ大黒柱de家づくり4

我が家の大黒柱を自分で射止める、の締めくくり便。

写真は伐り倒された樹齢70年の栗。
直径は60cm。生木の総重量はおよそ2トンぐらいだろう。
それが谷側に倒れながら、最後は飛んでいく。
その距離およそ5m。一度限りの瞬間をぶれないようカメラに捉えようと、
斜面に寝転び身を預け、右半身全体でその振動を受け止める。
その迫力は社会生活では出くわすことのない凄まじいものだ。
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杉の伐採時は、参加者から直ぐに歓声が上がったが、
この栗では、倒れゆくシーンから情景はスローモーションに変わり、
周りの木に絡むバリバリという音の後、ドッ、ドーン、ン、ン、ン。
しばしの沈黙が流れ、背後からゆっくりと拍手が聞こえてきた。
そこに立ち会った大人以上に、
幼い子供達には大きな記憶として残るに違いない。

一行には、その後も様々に深い時間が用意されていた。
が、それは参加してのお楽しみとしようか。

最後は山を下り、2週間前に麓の置き場に搬出されていた広葉樹の見学だ。
皆一様に驚いたのは、立ったままの木と、寝かされた木の寸法の誤算。
立木に比べ、横たわった材木はとても大きく感じる。
カツラ、クリ、ケヤキ、クルミ、シオジ、キハダ、などなど。
これだけ多彩な樹種が揃う山は、山林群馬でもそうはあるまい。
樹齢60〜100年余。長いものは7〜8m。
しかも真っ直ぐに成長した広葉樹は特に貴重だ。
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この道60年の黒田さんから、一本一本その素性や用途などが解説されるが、
参加者は全員素人。一番聞きたいのはその価値に見合った金額となる。
ここでそれを記すと大きな誤解を招きかねないが、
八百屋の一声調に申せば、下の写真に写るこの場での材木価格は、
大黒柱1本、どれも10万円までは届かないはずだ。
さて、これをどう捉えるかは十人十色。
私には、この材木が「我が家づくりの動輪」に見えてくる。

そこで、「山林と街人を繋ぐ」この試みをもう一度行うことにする。
時期は2011年2月の後半。
詳しくは近々に本サイトにアップするつもりだ。
一軒でも多くの家族が、豊かなプロセスを通じて
借金の返し替えのある「我が家づくり物語」を体現してもらいたい。

徳井正樹
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by rijim | 2010-12-28 11:29
2010年 12月 25日

マイ大黒柱de家づくり3

我が家の大黒柱を自分で射止める、の3便。
いよいよ広葉樹の山に入る。

計画的に植林され定期的に管理された杉ヒノキの森と、
ドングリや鳥の土産から生まれた多彩な樹種が覆う広葉樹の山は、
全く、、、、、違う。
中でも、落葉するこの時期、頂点に達する違いは「森の明るさ」だろう。
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しかし今回。針葉樹と広葉樹、一日で両方の伐採に立ち会った私が感じたのは、
針葉樹伐採は「漁業」、広葉樹のそれは「狩猟」と言う印象だ。
”底引き網”的に「面」で伐採していく60年生の杉。
一方、獲物を定め”銃口一発”で仕留めていた「一本モノ」樹齢70年の栗。
どちらも真剣勝負に違いないが、狙いを定める緊張感は大きく異なる。
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直接の理由は明快だろう。
樹形がほぼ一定の針葉樹は、材料としてしての”ツブシ”が効く。
しかし、定尺の3m〜4mが何本とれるか、曲がりや枝折れによる腐植は無いか、、など、
広葉樹を余すこと使い切るには経験と読みが欠かせない。
でも、これはいわばプロの話。
この日、素人である我々が感じた違いは、合理性や経済性からくるものでなく、
「生命力」や「包容力」。存在感や”託せる相手”といった、
家族を守る家づくりに直結する触覚が振るえたからに違いない。
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こんな事を感じながら山を歩き、名実ともに我が家の大黒柱を探す体験。
次回は、伐り出された広葉樹たちの内面を紹介しようか。

徳井正樹
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by rijim | 2010-12-25 09:47
2010年 12月 23日

マイ大黒柱de家づくり2

山に入って大樹を伐り出す体験会の続報。
当日は6本の伐採に立ち会った。
植林された60年生の杉4本。
実生の栗2本の樹齢は70年だ。

最初は、ほぼ半世紀前に計画的に造林された杉林に入る。
途中までは軽トラが漸く入れる簡易林道だが、そこからは徒歩。
当然ながら急峻で踏み跡すら無く、小枝が顔に刺さりそうな斜面を登る。
幼児を背負った参加者は面食らっただろう。

伐採場所にはすでに100本余りの杉が切り倒され、葉枯らし乾燥されていたが、
植林地にとっての百本は、ほんの一部。その中から太さのしっかりした4本を選ぶ。
それまで微かに谷川の瀬音が聞こえるだけの山に、
いきなりチェーンソーのエンジン音が響き出すと、全員に緊張感が走るのがわかる。
伐採は製品となる材木へのダメージを極力下げるため、一般的には山側に倒すが、
この道60年のベテランは谷側に倒れるよう、杉の根本に刃を入れた。
空回りのエンジン音が鈍い低音に変わると、切りくずチップがシャワーのように吹き出す。
杉にとっては60年間を締めくくる最後の花吹雪を自分の体を裂いて振る舞っているようだ。

刃が径の9割まで達する頃、高さ15mの大木がビリビリと揺れはじめる。
そして最後に「バキッ」っと大声を響かせ、2トン余りの胴体を谷に横たえた。
すると次の瞬間、誰とも無く上がった歓声と拍手。
頭上からは紙吹雪のような杉の枯れ葉が舞ってきた。
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なかなか立ち会う事の出来ない「その場所、その音、その時間」を共有し、
我々は次なる対象に向かった。

徳井正樹
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by rijim | 2010-12-23 08:16
2010年 12月 20日

発進!、マイ大黒柱 de 家づくり1

昨日12/19、朝9:10。 無風、気温0度、快晴の標高1000m。
いよいよ「山林と街人を繋ぐ」5年がかりの大仕掛けが始まった。
「マイ大黒柱 de 家づくり」のスタートだ。
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この試み、手前味噌で申せば「これ以上の醍醐味は無い家づくり」。
自然実生の広葉樹を、自分で選んで我が家の大黒柱へ。
情報氾濫の昨今、家を建てる実感を鷲掴みするこのプロジェクトに、
幼児を背負った体当たりの3家族が参加した。
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参加家族はもとより、企画側にも実験的なこの試みだったが、
「山と街をダイレクトに繋ぐ」昨日の試みは、
結果として、双方に大きな充実時間をのこしてくれたようだ。
この出来事を精査して伝えるには、まだまだ整理が必要だが、
今夜は、まずその一報を伝いたい。

参加者全員。
身体と時間をぶつけたその見返りを、
当日に掴み得たその満足感を上手く記すのは難しいが、
何回の書き込みでその様子を伝えてみたい。

徳井正樹
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by rijim | 2010-12-20 21:13
2010年 12月 16日

道具たち

いざ薪を求め、山にシバカリ。
この春から秋まで10回は入りましたかね。
そんな時に大切なのは道具です。
今日は薪関連の賢い子分たちを紹介しましょう。
(ほぼ、入手順に左上2つ目から時計回り)

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1:丸のこ(17年生)
  木っ端から裏山の太枝を切るのに使っています。

2:ヘッジトリマ(5年生)黄緑
  笹の剪定用で直接薪には絡みませんが、
  これは時間短縮に抜群。人の10倍は働きます。

3:電動チェーンソー(3年生)黄
  多目的に使えると面白半分の購入があら不思議。
  これで径40cmの紅葉樹を根元から伐採できました。

4:エンジンチェーンソー(2年生)赤
  しかしやはり電動では物足りなくなりエンジンへ。
  これで本格的な野外活動が始まりました。

5:鉈(右手前、10年生)赤鞘
  小枝打ちや板を割るにはこれが一番。
  山歩きには欠かせません。

6:斧(2年生)
  刃物の重さ1kgなので小者かと思いきや、
  これ5〜8打で刺さっている切り株なら割れます。

7:コードリール(15年生)赤
  これはいつでも付き物です。

8:ネコ車(左手前、10年生)緑
  何と云ってもコイツがなければ何も運べません。

9:卓上丸のこ(20年生)緑
  ネットオークションで購入した中古品ですが、
  板、太枝、竹など特に長物、重い物を斬るのに大活躍。

10:ブロアー(5年生)青
  庭仕事用にと入手しましたが、今ではお役一新。
  仕事後の大鋸屑(おがくず)を吹き飛ばし集めるにはこれが一番。

これ以外に手斧、鋏刃物類が大中小など、保管場所とメンテが大変ですが、
薪仕事は、家族を暖める「薪」という実りがあるので、
体調管理も含めて楽しんでいます。

徳井正樹
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by rijim | 2010-12-16 07:25
2010年 12月 14日

山にシバカリ

先日、年一度の人間ドックを受診。
おかげさまで、脳MRIでも問題なく、
「しっかり仕事しなさい」というお墨付きを頂きました。

さて、薪ストーブ周辺話題の2便、今回は「薪(まき)」の話。

ネットで薪価格を調べると概ね40円/kg。
一日の消費量を25kgとすれば、一日1000円。月3万円。
すべて買ってきたら、ひと冬15万円にもなってしまいます。
これに送料かガソリン代が加わるわけですから、トンデモアリマセン!
そこで自己調達となります。
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写真は知り合いの山から伐りだしてきた桜。
軽トラに平積みで、約3週間分。買ったらざっと2万円でしょうか。
ただ、これはズブナマ。1〜2年は乾燥が必要です。
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とはいえ、何度か山に入ると枯れた太枝などもあり、
昨冬の半分近くは自己調達材で賄いましたが、
ただ、ストーブ生活に休みはありません。
蟻とキリギリスの童話どうり、夏場はせっせと薪集め。
と言うわけで、続きはその手順を披露しましょう。

徳井正樹
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by rijim | 2010-12-14 10:01
2010年 12月 03日

3家族を山と繋げる試み

たった3本だが、「大黒柱伐り出しプロジェクト」を立ち上げ、反響を戴いている。
そのほとんどが、「そんなこと出来るのか?」だ。
  確かに、、、。
しかし、この取り組みに私は本気だ。
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確かに様々な障壁はある。
コスト、乾燥時間、作業手間、乗り手のリスク、、、。
ただ、どんな選択にもリスクはある、仮にそれが安易ならば、そのリスクは高い。

私は「自分の」家づくりの伴奏者を務めてきた住宅建築家。
だからこそ、この提案は、ヴィッツを求める人にBMWを提案するのではない。
家づくり全体コストの1〜2%を、
家族への投資、醍醐味、物語づくりと捉えれば、その価値は計り知れないはずだ。

そんな考えを共有しながら、
1000mの山に立つ、樹齢100年の樹3本を、
精一杯活かしてみたい。

徳井正樹
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by rijim | 2010-12-03 19:40