徳井正樹の「小坂山日記」

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2008年 09月 24日

彼岸

彼岸(ひがん)とは、煩悩を脱した悟りの境地のことらしい。
煩悩や迷いに満ちたこの世をこちら側の岸、
「此岸」(しがん)と言うのに対して、
向う側の岸を「彼岸」というのだそうだ。
無論、我が身は「此岸」の真っ只中。
  まだまだ向こう岸には渡れそうもない。
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実りを迎えた田の畦に咲くの彼岸花は、
黄金色の稲穂をどんな思いで見守っているのだろう。

思えば、自分の父親を年齢を超えるまでアト3年。
さて、どう生き様をさらそうか。

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-24 13:31
2008年 09月 20日

瓦窯イベント

台風一過の群馬県甘楽町。
今日JRと組んだ町を上げての大イベントが行われています。
群馬県最大面積を誇る大名庭園から去年復元した瓦窯まで、
10カ所を巡るハイキングは、先週末までの締め切りで
250名の申し込みがあったと云うから、まずまずは大成功でしょう。
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昨夜から火が入った窯は今日の夕方まで焚き続けられ、
その脇では参加者自らが自由に刻印できる「手形瓦」の体験など、
好天に恵まれ大いに賑わっています。

私もこれから瓦の製造工程を紹介する「ギャラリー瓦窯」へ応援に。
どことも合併せず人口1万5千に満たない小さな町の一大行事、
屋根瓦の魅力を多くに人に伝えてきます。

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-20 13:03
2008年 09月 18日

15年目の床

 決してキレイとは呼べない写真。15年目を迎えた拙宅の床です。
ご多分に漏れずにジリ貧の建設コストゆえ、銘柄でなく価格重視で決定。
素材はブナ。板厚15mmの乱尺張りで、北海道江差から運ばれてきました。
道南が北限のブナですから、函館から長万部辺りの山懐が故郷でしょう。
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 一度も塗装せずに家人の脚油で磨かれるとこんな感じになります。
よく観察すると、水がこぼれて白く抜けた跡があります。
多分水道水に含まれる塩素で漂白されたのでしょう。
 また、不連続の継ぎ手の両サイドに色違いが在ります。 
これは多分半自動半手動のローテクのフローリング加工過程で
機械から板を引き抜く時に、仕上げ面を余計に研磨してしまって
板の端部が薄くなりったことが原因でしょう。
張り上がると僅かながら段差ができ、脚油の磨きが届かなかった故の色違いです。

 勿論これを防ぐためには、床全面のサンダー掛けを徹底すれば問題ないのですが、
まあ自分の家ですからこれで十分。
いや、クライアントの家だって同じでいいでしょう!

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-18 13:48
2008年 09月 15日

百年の夜明け

百年民家が明日生まれ変わる。
75日間の改修期間は百年の時に比べれば余りに短いが、
家も個人も社会も国家も”変革の時”は、振り返れば一瞬だ。
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しかし、その現場に携わる人のエネルギーは、
ピストン内の圧縮燃焼工程の如く、その理念と周到な準備が生む
緻密な組み合わせとその爆発力が正比例して初めて結果が出る。

建築現場は一期一会。
三連休は別世界の生活時間で廻っているらしい。

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-15 20:06
2008年 09月 12日

嬉しい見学会

少し前になりますが、嬉しい見学会に誘われました。
5年ほど前に事務所を円満退職した小久保さんの仕事を
初めて視る機会に恵まれたのです。
独立してガンガンやるタイプには見えない彼女でしたが、
現場には必ず作業服で行く頑張り屋は施主からも工務店からも好かれ、
もう既に幾つかの現場を実現するほどに成っていました。
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綺麗にそして優しさが滲み出るほどにまとめられた家を前に、
建て主に見学会と彼女への設計依頼の感謝を申し上げながら、
一つ聞きました。経験の浅い設計者への設計依頼の本音を伺うと、
「小久保さんを嫌いな人はこの世にいないでしょう。」の明快答!
その彼女が一所懸命取り組めば、きっと回りが助けてくれるはず、と。

この一言がこの日を素敵な記憶に変えてくれました。
小久保さん、これからも頑張ってね!!!

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-12 10:53
2008年 09月 08日

築百年。変わる蚕室

先週紹介した百年住宅の続報です。
いよいよ漆喰天井が塗られ始めました。
真っ暗だった部屋はまるで繭の内側に居るような明るさです。
当時の主のお蚕さまにはどう映っている事でしょう。
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もうすぐ竣工を迎えるこの空間には大きなイーゼルが座り、
静かなクワの刃を噛む音から、カンバスを疾る筆での音に代わります。
南窓からは、バリのライステラスを思わせるくねった畦が交差しながら
そろそろ黄金色に染まる稲穂を臨み、
夕暮れからは北窓から秋の音が心を鎮めさせてくれます。
いいなあ、、、。
これも百年の松梁がここの森羅万象を治めているからでしょう。

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-08 17:03
2008年 09月 05日

15年目のヤマボウシ

今週、百年から始まって22年まで来ましたが今日は、
移植15年目を迎える我が家のヤマボウシ。
新築記念にと妻の両親が植えてくれました。
この樹はハナミヅキと似ていますが、花の数が少なく
楚々としたところが気に入っています。
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ところが今年、気象の変化なのでしょうか?
今までに無いほど多くの白い花をつけました。
例年は数が少ないのが良いのだと自分で云っているくせに、
華やいだその姿を見ると「来年もこのくらい咲くと良いなあ」、、と。
全く気分なんて勝手なもの。
その程度にしておかないと、樹も人間も永続きしないのかもしれません。
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写真中央がヤマボウシ。下に映っているのは野外教室のベンチです。
毎年ここで「高崎 家づくり学校」を一日だけ開講します。
これは今年13年目。いつまで続くか解りませんが、
ここまで来ると、地域人の楽しみとしてやっています。

先週今週はまさに「季節の変わり目」を感じますね。
今月末は一世一代の大行事の締め切りがあります。
体調に気をつけて頑張らないと!

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-05 11:59
2008年 09月 03日

22年目のYチェア

昨日のスツールの話から二つの言葉を引き継いで、
今日は22年目の椅子を紹介します。
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写真は我が家で結婚以来愛用してきたYチェアです。
多少の傷は有りますが、ブナ材のフレームはまだびくともしていません。
ただご覧の通り、座面の紙製コードが擦り切れて修理に出す事になりました。
イヤ、決して原因は体重では有りませんので、其処のところは誤解無き様。
一月後にはパーンと張った座が、また20年をお尻を受け止めてくれるでしょう。

それにしても毎日使って22年。文句も言わず人間よりも元気です。
そういえば、他の4つの椅子も、22、20、15、8年。
何れもしっかり私たちを支えてくれています。

人の年齢と歩調が合う道具は良いですね。
そして家は、それらを代々見守っていって欲しいものです。

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-03 22:12
2008年 09月 01日

22年越しの握手

前回お話しした古民家からすれば、ちょうど百年若いわけですが、
今日は築15年を迎えようとしている我が家の玄関での話。

土間との段差は15cm程なので段差は苦に感じないのですが、
紐靴を履く時には低すぎるのでスツールで対応しようとなりました。
値段も手頃だったので仕方が無いのですが、無骨な素材だらけ玄関に似合いそうな、
やや毒気の有るモノが見つかりました。
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南方系の広葉樹の根っこを刳り貫いただけのボディーに、
ペタンとした薄いウレタンに黄色の平織綿が被されただけの座面が乗っただけで
それは如何にも安っぽい代物でした。「座面だけでも交換したいな」と、
知り合いの工房を卒業した椅子張り作家に話をしたら
とても面白がってくれ、写真の素敵な赤革のスツールに生まれ変わりました。

出来上がりを新宿の牛鍋屋で受けとりながら話を聞くとびっくり!
なんと22年前、事務所を立ち上げた頃、仕事が無い私に家具の図面描きの仕事を
分けてくれた芝の家具屋で修行したとの事。
そしてこの赤皮はそこを円満退社の日、卒業祝いに頂いた貴重なものでした。

あの頃の縁が、人と時間と偶然を繋ぎあわせながら、
このスツールで握手をしたのだと感じました。
今は名実共に我が家の家宝として愛用しています。

徳井正樹
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by rijim | 2008-09-01 10:32