徳井正樹の「小坂山日記」

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2007年 12月 23日

照明位置

昨日は冬至。日が短くなると使用頻度が高まるのが照明器具。
実は選び方と取り付け位置、これがなかなか難しい。

住宅内の照明の目的は「必要な明るさの確保」に尽きる。
華美な演出はもちろん、暖かさや柔らかさを求めたとしても、
必要のない照明はやがて使われなくなり、それが企ての至らなさを象徴する。

そもそも照明器具に存在感などいらないと私は考える。
陽の高いうちは家人であっても、どこにあったか覚えていない程度がいいのだ。
そしてそれが灯る頃には器具は消え、あかりだけが浮かんでいる、、
なんて言うのが望ましい。
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写真は拙宅の階段上に吊るされたペンダント。
こいつには3つの役割が託されている。
段差移動への危険解除。居間食堂間を繋ぐ照明。
そして防犯をかねた常夜灯である。
それぞれの目的を満たすため、壁付や、天井付けがいいのか、
吊り下がるのならその高さは、、などなど。
結局それぞれに効率がよく電球交換も楽なこの位置に決まった。
照明一つでも、いろいろな思惑が交錯して設計は固まっていくから、
その仕事はムヅカシク手間がかかり、故に面白い。

徳井正樹
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by rijim | 2007-12-23 09:26
2007年 12月 21日

瓦とトップライト

天井から差し込む陽の光は独特な雰囲気を持つ。
やはり、空から注がれるイメージからか「光に包まれている」という印象だろうか。
確かに基準法上でも窓からの光量よりも3倍のカウントだが、
単に明るいというだけでなく、壁を舐めてくる光の表情がいい。
しかもそれが四角い天窓ではなく、光のスリットだと特により効果的だ。
そこで問題は雨漏りへの心配である。
屋根に穴をあける訳だから素人+玄人問わずこの業界としての長年の課題でもある。
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写真は私たちが考案した瓦屋根でも美しく耐久性もあるトップライトだ。
屋根を切り裂いたような形状を実現するまでには時間を要したが、
これなら雨も雪も直ぐに流れ落ちるので心配ない。
現場は来春完成の熊谷の家。現場はまだまだ地道な作業が続いている。

徳井正樹
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by rijim | 2007-12-21 06:07
2007年 12月 04日

リサイクル源流探検

 長らくのご無沙汰、大変失礼しました。
言い訳や挨拶もそこそこ、今日は午前に垣間みたびっくりを報告します。
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 この時期、食事会やパーティーに忙しい紳士淑女も多いかと思うが、
今日は柄にも無く、その”残り物の行方”を追ってみた。
 場所は都心一等地の紀尾井町。
大小50のレストランを抱えるという大型ホテルで、
調理過程を含め膨大に出るだろう食材や花束等の生ゴミ。
これをどう処理しているのか?
、、、なんて実は今日まで真面目に考えもしなかったのだが、、、。

 このホテルで出る生ゴミは一日5トン!
それをここでは従業員への”徹底的な分別教育”によって
100%リサイクルしているそうだ。
まず食材等を専用機械で切り刻み、36分間攪拌する。
この段階で水分の大半は分離され、約1,5トンの固形物が残る。
これをさらに二日間を要して土のような粉末にする。
だが、その内部にはまだバクテリア等が残るため、
直接土壌に混ぜると発酵して熱を出し作物に悪影響を及ぼす。
そこで、この土状の粉末をホテルから専門業者に渡し、
2か月間かけて本物のたい肥にしてもらう。
今度はそれを契約農家に渡してホテルブランド米の栽培に利用する。
それが「従業員食堂のご飯」となって戻って来るのだそうだ。
 まさにこれ”食の循環システム”。これ以外にも、
一日約1000トンの厨房排水の半分以上を、
トイレ洗浄水などの”中水”として再利用するなど、
「やれるところは徹底的に取り組んだ。」と、普段は黒服の陰に隠れている
作業着のホテルマン技術者は誉れ高く語っていた。

 なぜそこまでやれたのか?
それは経済面での確かな効率性にあるようだ。
これらの取り組みを行う前、ゴミの処理費は年間3500万円。
このプラント投資が11000万円、それを3,7年で回収してしまったらしい。
さすが量が量だけに、その効率メリットも高いのかもしれない。


 では、我々の住宅分野ではどうか?
新エネルギー分野の話題は別の機会としても、
雨水利用などはそれに近いが、投資コストとその利用再利用範囲は
住宅だけにかなり限定されるため、出きればこの分野は一軒単位で無く、
集合住宅や分譲地などでは街区単位での取り組みが望ましいのかもしれない。
元々、暮らしを金銭で割算するようなことはそぐわないが、
まだまだこのゴミの世界、取り組み方向は無限に有りそうだ。

 今日熱く語っておられた言葉が印象に残る。
「ゴミは捨てる方の意志一つで命が決まる。」
 ならば我々は、暮らしのゴミがでる前の建設ゴミで実践すべきだ!
それは、材料指定であり、歩留まりであり、作業工程に基づいた設計から始まる。
必要な素材とその調達法をイメージできなければ
モノ、人、運搬に無意味な選別や移動が生まれ、その上に成り立つ創意工夫が削がれて
技ある技術者が育成に繋がるコスト(社会投資)が泡と消える。
 そのために不可欠なのは現場力!
素材の源流から住宅現場まで、現場作業とは、”何から初めて、何で終わるのか”を
知ることに尽きる。それにはそれぞれの現場を歩くしか無い。

だから現場は楽しいのである。

徳井正樹
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この取材、実は日本女子大学の「児童学科 縦の会」のツアーに
同行させて戴いた賜物。
こんな部外者を参加させていただき、ありがとうございました。
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by rijim | 2007-12-04 16:55