徳井正樹の「小坂山日記」

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2007年 04月 23日

足場バレる

竣工まであと2〜3週間、現場では左官の最終工程が進む。
ちょうどその頃になると足場がバレ始める。
この足場、現場仕事になくてはならないものだが、
コト左官職方達にとってはまさに仕事の舞台。
f0133377_13291894.jpg写真は一枚の足場板に3人が載って漆喰の仕上げ塗りの真っ最中。
もちろん3人が一糸乱れず鏝を挽くのでは無いので、
誰かが少しでも不自然に動いたなら板は軽く5cmは上下する。
しかし仕上げの指示は2枚目の写真。
f0133377_13332026.jpg
細かな骨材が入った粘る漆喰を基材として、
水平に鏝を移動させる事で生まれる不連続な水平ラインが入る絶妙な仕上げ。
不安定な板の上でなぜ水平に刷毛引きが出来るのか?
もう10年来仕事をお願いしている「シモダ左官」マジックだ。

徳井正樹
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by rijim | 2007-04-23 13:40
2007年 04月 16日

100km通勤、13年

高崎:東京。片道105km。
なぜこんな地球儀でも辿れるほどの通勤を選んだかのかは、
何れ綴ることにするが、
一日往復210kmの新幹線通勤が13年目に入った。
自分で加算するのも嫌な数字だが、一年でほぼ5万キロ。
12年で60万km。もう地球を15周も回っていることになる。
考えただけで目が廻る。命尽きるまでには何十周すればいいんだろう?

f0133377_16352423.jpgもっともこんな事考えたのは今が初めて。
普段は約一時間の車窓から2〜3週間の季節差を楽しんでいる。
今の時期ならサクラやレンギョウなどの花の時期。
都心は散っても高崎では満開。
でも、もう少しすると楽しみなるのが、大宮高崎間の田園風景だ。

大規模農業とはほど遠いこの地域での田植えでは、
家族の日程が合った兼業農家から先を争うように水を張り、
黄金色の麦畑が週末を挟んで一気に水田に変わる。
それはまさにパッチワーク。
実家や親戚が農家なら、こちらが設計屋だろうが何だろうが、
きっとこの時期は「絶対にこの日!」と拘束されるのだろう。
日本のフツーのお米はこうした家族協力に支えられているに違いない。

徳井正樹
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by rijim | 2007-04-16 16:57
2007年 04月 09日

手形瓦

瓦にこだわって15年以上が過ぎた。
風土瓦の探訪から新作瓦の開発まで、その間の紆余曲折は別に機会とするが、
”瓦あそび”が身近となったお陰でクライアントに一つの楽しみが生まれた。
家づくりのプロセスを刻印する意味を込め、家族全員の「手形瓦」を作る事だ。
もちろんこれは新屋根開拓集団「屋根舞台」をはじめ、
地場産業である群馬の瓦関係者の懐深い協力無しには実現しない。
クライアントにも決して安っぽいサービスで無い事をしっかり話し、
十分理解して頂いたところで、甘楽町の小さな瓦工場を毎回訪ねている。

f0133377_185359.jpg
泥あそびが子供の世界からも消えかける時代だから、
鬼瓦用に熟成させた粘土に触れ多途端に親も子供も興奮し始める。
艶かしいほど柔らかい土に掌の触覚が吸い込まれる感覚など、
陶芸経験者でもなければ想像すら出来ないらしい。
私は勝手ながら、このサプライズと触覚の記憶に、
家族皆で臨んだ家づくり体験を重ねて欲しいと願う。

30年も過ぎたいつか、玄関脇の手形の子供が親となる。
そして必ずどちらともなく「この手形瓦は、、、」と喋り出すだろう。
「家」と「家族」はそんな間柄でありたい、イヤ、あるべきダ!

徳井正樹
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by rijim | 2007-04-09 18:17
2007年 04月 07日

軽井沢3

今日はドライブを兼ねた現場監理。
そろそろ散り始めた高崎の桜並木を抜け、桃の花が満開の榛名町を潜り、
まだ芽吹き前の二度上峠を駆け上り切ると、正面に浅間山の東峰が広がる。
この景色は実にいい。
現場のここ頂から見下ろす明るい森の中だ。

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クライアントにこうは話せないが、ここ数年で一番ローコストの現場。
もっとも週末山荘だから規模相応。そのプリミティブさが気に入っている。
まるで不審者のようだが周囲から遠巻きに骨格を確認してから、
徐々に建物に近づいていく。
広い敷地だけに”何に向けて何処に置くか?”に苦心したが、
メインとなる数本の大木を室内からの軸線に据えた事が巧くいったようだ。

つづく

徳井正樹
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by rijim | 2007-04-07 17:42
2007年 04月 02日

素材から部材へ

先日の「板材選定」の続き。
材木市場、丸太買付け、製材乾燥、板材選定、造作加工を経て
キッチンカウンター、枕元の絵本用棚板、間仕切りスクリーンなどなど、
丸一年掛かって、ようやく「行き場の決まった部材」が現場入りした。

f0133377_17302433.jpg
加工段階では、それぞれの板の役割を十分理解してくれた現場監督が、
ステンレスビスがねじ切れてしまうほど堅いアサダやブナを、
棟梁と一緒に一枚一枚手加工でツルツルに仕上げてくれた。
これなら引越を2ヶ月後に控え、
先日生まれた赤ちゃんの柔らかい肌も傷つける事無く、
新しい暮らしが安心してスタートできる。

さあ、造作工事最後の追い込み!
これから現場には多くの業種が入ってくる。
現場の皆が一番嫌う”混乱と手戻り”を起こす事無く、
如何に行儀よく仕上げる事が私と監督の使命である。

徳井正樹
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by rijim | 2007-04-02 17:39