徳井正樹の「小坂山日記」

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2010年 12月 25日

マイ大黒柱de家づくり3

我が家の大黒柱を自分で射止める、の3便。
いよいよ広葉樹の山に入る。

計画的に植林され定期的に管理された杉ヒノキの森と、
ドングリや鳥の土産から生まれた多彩な樹種が覆う広葉樹の山は、
全く、、、、、違う。
中でも、落葉するこの時期、頂点に達する違いは「森の明るさ」だろう。
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しかし今回。針葉樹と広葉樹、一日で両方の伐採に立ち会った私が感じたのは、
針葉樹伐採は「漁業」、広葉樹のそれは「狩猟」と言う印象だ。
”底引き網”的に「面」で伐採していく60年生の杉。
一方、獲物を定め”銃口一発”で仕留めていた「一本モノ」樹齢70年の栗。
どちらも真剣勝負に違いないが、狙いを定める緊張感は大きく異なる。
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直接の理由は明快だろう。
樹形がほぼ一定の針葉樹は、材料としてしての”ツブシ”が効く。
しかし、定尺の3m〜4mが何本とれるか、曲がりや枝折れによる腐植は無いか、、など、
広葉樹を余すこと使い切るには経験と読みが欠かせない。
でも、これはいわばプロの話。
この日、素人である我々が感じた違いは、合理性や経済性からくるものでなく、
「生命力」や「包容力」。存在感や”託せる相手”といった、
家族を守る家づくりに直結する触覚が振るえたからに違いない。
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こんな事を感じながら山を歩き、名実ともに我が家の大黒柱を探す体験。
次回は、伐り出された広葉樹たちの内面を紹介しようか。

徳井正樹
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# by rijim | 2010-12-25 09:47
2010年 12月 23日

マイ大黒柱de家づくり2

山に入って大樹を伐り出す体験会の続報。
当日は6本の伐採に立ち会った。
植林された60年生の杉4本。
実生の栗2本の樹齢は70年だ。

最初は、ほぼ半世紀前に計画的に造林された杉林に入る。
途中までは軽トラが漸く入れる簡易林道だが、そこからは徒歩。
当然ながら急峻で踏み跡すら無く、小枝が顔に刺さりそうな斜面を登る。
幼児を背負った参加者は面食らっただろう。

伐採場所にはすでに100本余りの杉が切り倒され、葉枯らし乾燥されていたが、
植林地にとっての百本は、ほんの一部。その中から太さのしっかりした4本を選ぶ。
それまで微かに谷川の瀬音が聞こえるだけの山に、
いきなりチェーンソーのエンジン音が響き出すと、全員に緊張感が走るのがわかる。
伐採は製品となる材木へのダメージを極力下げるため、一般的には山側に倒すが、
この道60年のベテランは谷側に倒れるよう、杉の根本に刃を入れた。
空回りのエンジン音が鈍い低音に変わると、切りくずチップがシャワーのように吹き出す。
杉にとっては60年間を締めくくる最後の花吹雪を自分の体を裂いて振る舞っているようだ。

刃が径の9割まで達する頃、高さ15mの大木がビリビリと揺れはじめる。
そして最後に「バキッ」っと大声を響かせ、2トン余りの胴体を谷に横たえた。
すると次の瞬間、誰とも無く上がった歓声と拍手。
頭上からは紙吹雪のような杉の枯れ葉が舞ってきた。
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なかなか立ち会う事の出来ない「その場所、その音、その時間」を共有し、
我々は次なる対象に向かった。

徳井正樹
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# by rijim | 2010-12-23 08:16
2010年 12月 20日

発進!、マイ大黒柱 de 家づくり1

昨日12/19、朝9:10。 無風、気温0度、快晴の標高1000m。
いよいよ「山林と街人を繋ぐ」5年がかりの大仕掛けが始まった。
「マイ大黒柱 de 家づくり」のスタートだ。
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この試み、手前味噌で申せば「これ以上の醍醐味は無い家づくり」。
自然実生の広葉樹を、自分で選んで我が家の大黒柱へ。
情報氾濫の昨今、家を建てる実感を鷲掴みするこのプロジェクトに、
幼児を背負った体当たりの3家族が参加した。
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参加家族はもとより、企画側にも実験的なこの試みだったが、
「山と街をダイレクトに繋ぐ」昨日の試みは、
結果として、双方に大きな充実時間をのこしてくれたようだ。
この出来事を精査して伝えるには、まだまだ整理が必要だが、
今夜は、まずその一報を伝いたい。

参加者全員。
身体と時間をぶつけたその見返りを、
当日に掴み得たその満足感を上手く記すのは難しいが、
何回の書き込みでその様子を伝えてみたい。

徳井正樹
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# by rijim | 2010-12-20 21:13
2010年 12月 16日

道具たち

いざ薪を求め、山にシバカリ。
この春から秋まで10回は入りましたかね。
そんな時に大切なのは道具です。
今日は薪関連の賢い子分たちを紹介しましょう。
(ほぼ、入手順に左上2つ目から時計回り)

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1:丸のこ(17年生)
  木っ端から裏山の太枝を切るのに使っています。

2:ヘッジトリマ(5年生)黄緑
  笹の剪定用で直接薪には絡みませんが、
  これは時間短縮に抜群。人の10倍は働きます。

3:電動チェーンソー(3年生)黄
  多目的に使えると面白半分の購入があら不思議。
  これで径40cmの紅葉樹を根元から伐採できました。

4:エンジンチェーンソー(2年生)赤
  しかしやはり電動では物足りなくなりエンジンへ。
  これで本格的な野外活動が始まりました。

5:鉈(右手前、10年生)赤鞘
  小枝打ちや板を割るにはこれが一番。
  山歩きには欠かせません。

6:斧(2年生)
  刃物の重さ1kgなので小者かと思いきや、
  これ5〜8打で刺さっている切り株なら割れます。

7:コードリール(15年生)赤
  これはいつでも付き物です。

8:ネコ車(左手前、10年生)緑
  何と云ってもコイツがなければ何も運べません。

9:卓上丸のこ(20年生)緑
  ネットオークションで購入した中古品ですが、
  板、太枝、竹など特に長物、重い物を斬るのに大活躍。

10:ブロアー(5年生)青
  庭仕事用にと入手しましたが、今ではお役一新。
  仕事後の大鋸屑(おがくず)を吹き飛ばし集めるにはこれが一番。

これ以外に手斧、鋏刃物類が大中小など、保管場所とメンテが大変ですが、
薪仕事は、家族を暖める「薪」という実りがあるので、
体調管理も含めて楽しんでいます。

徳井正樹
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# by rijim | 2010-12-16 07:25
2010年 12月 14日

山にシバカリ

先日、年一度の人間ドックを受診。
おかげさまで、脳MRIでも問題なく、
「しっかり仕事しなさい」というお墨付きを頂きました。

さて、薪ストーブ周辺話題の2便、今回は「薪(まき)」の話。

ネットで薪価格を調べると概ね40円/kg。
一日の消費量を25kgとすれば、一日1000円。月3万円。
すべて買ってきたら、ひと冬15万円にもなってしまいます。
これに送料かガソリン代が加わるわけですから、トンデモアリマセン!
そこで自己調達となります。
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写真は知り合いの山から伐りだしてきた桜。
軽トラに平積みで、約3週間分。買ったらざっと2万円でしょうか。
ただ、これはズブナマ。1〜2年は乾燥が必要です。
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とはいえ、何度か山に入ると枯れた太枝などもあり、
昨冬の半分近くは自己調達材で賄いましたが、
ただ、ストーブ生活に休みはありません。
蟻とキリギリスの童話どうり、夏場はせっせと薪集め。
と言うわけで、続きはその手順を披露しましょう。

徳井正樹
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# by rijim | 2010-12-14 10:01
2010年 12月 03日

3家族を山と繋げる試み

たった3本だが、「大黒柱伐り出しプロジェクト」を立ち上げ、反響を戴いている。
そのほとんどが、「そんなこと出来るのか?」だ。
  確かに、、、。
しかし、この取り組みに私は本気だ。
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確かに様々な障壁はある。
コスト、乾燥時間、作業手間、乗り手のリスク、、、。
ただ、どんな選択にもリスクはある、仮にそれが安易ならば、そのリスクは高い。

私は「自分の」家づくりの伴奏者を務めてきた住宅建築家。
だからこそ、この提案は、ヴィッツを求める人にBMWを提案するのではない。
家づくり全体コストの1〜2%を、
家族への投資、醍醐味、物語づくりと捉えれば、その価値は計り知れないはずだ。

そんな考えを共有しながら、
1000mの山に立つ、樹齢100年の樹3本を、
精一杯活かしてみたい。

徳井正樹
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# by rijim | 2010-12-03 19:40
2010年 11月 22日

薪ストーブ

一年半休眠の間、我が家の一大事と云えば「薪ストーブ」でしょう。
設置から15ヶ月。
それはまさに、15年余り床暖房一筋で過ごしてきた冬暮らしに射した閃光とも云えます。
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別に、床暖房に不具合やディメリットが出てきたわけではありません。
この2年ほど、クライアントの要望で薪ストーブを備える作例が増え、
「それでは自分で体験せねば!」と、
むしろクライアントに背中を押されての導入でした。
設置から15ヶ月、結局昨シーズンは床暖房を一度も運転せずに乗り切りました。

たまにですが、このブログで一年半の薪暮らしを振り返ってみます。

先週発表の「大黒柱伐りだしプロジェクト」も、是非!。
http://tokui.to.cx/top/20101119daikoku.html

徳井正樹
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# by rijim | 2010-11-22 15:48
2010年 11月 19日

大黒柱伐りだしProject 発表

忙しさにかまけ、1年半も休眠していた「小坂山日誌」を再開します。

その幕開けは、5年ほど暖めていた家づくりの秘策発表。
名付けて、限定3棟「大黒柱伐りだしプロジェクト」です。
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我が家の大黒柱を広葉樹の山から自分で選び、
樹齢百年の丸太切りだしに参加する。
こんな家づくりを、都会人にも体現できる大物企画です。
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限定3棟ですが、この冬から家づくりを始める家族には、
またとないチャンスであることは、間違いありません。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
http://tokui.to.cx/top/20101119daikoku.html

自分でもこんな事出来なかった。
娘たちに体験させてやりたかったなあ〜!

徳井正樹
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# by rijim | 2010-11-19 16:54
2009年 06月 06日

今日のトークショー

今夜、池袋の書店でトークショーを行います。

風土豊かな日本の家景色を作ってきた瓦屋根。
「その底力を現代に受け継ぐには!」
屋根舞台の小林さん、編集者の中野さんと共に
新しい瓦の魅力を掘り下げてみたいと考えています。

徳井正樹
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「だるま窯をつくることから始めた瓦の話」

小林 保(瓦職人)×徳井正樹(建築家)
日時/2009年6月6日(土)19:00〜20:30
場所/ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェ
   (東京都豊島区南池袋2-15-5 電話03-5956-6111)
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# by rijim | 2009-06-06 07:13
2009年 05月 16日

樹アレコレ 7

今週、我が家の6本の樹を紹介してきましたが、そろそろけじめをつけるには、
15年前、5本から今ではその20倍はあろうかという
「孟宗竹」で締めくくりましょう。

日本原産の竹はマダケ、ハチクが有名ですが、
今では竹の代表格に扱われる孟宗竹は、中国大陸から入ってきたものだと聞いています。
驚くのはその時期です。
諸説有ってはっきりしたことは解りませんが、
大陸から琉球を経由して鹿児島に移植されたのが、概ね江戸時代中期。
たった300年あまりで、北国を除く日本全土に竹林として広がりました。
それを考えれば、15年で100本を超えるのにも頷けます。
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とはいえ、それには当然副作用もあり、
3年ほど前、お隣さんから家庭菜園に竹が伸びてきたとお叱りを受け、
境界部分の土中に60cmほどの隔て板を設置して事なきを得ました。
それからというもの、今の時期は我が家は筍狩りシーズンとなり、
土からわずかに顔を出した頃の”筍”と、旬を過ぎた”丈の子”を
半日かけて掘り出すのが、私の仕事となりました。

勿論その業務報酬は、
ビールの隣に付く「若竹の煮付け」となるのは言うまでもありません。

お後がよろしいようで!

徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-16 15:43
2009年 05月 15日

樹アレコレ 6

昨日の大風のお陰で、都心はもとより、
群馬もいっぺんに爽やかな空気に入れ替わりました。

今朝一番の仕事は蜂の巣退治。
ベランダのガラス屋根下に作られた直径5cmほどの巣でしたが、
洗濯物と一緒に畳まれても困るので、
養蜂用の網付き帽子に革手袋とスプレーを片手に
専用スプレーで眠られた後に一撃。
山の懐に住まうには、様々な仕事がつきものです。

さて今日は生き物つながりで、鳥が運んできた樹を紹介しましょう。
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8年ほど前でしょうか?
この樹の場所には可愛らしい「コハウチワカエデ」がありました。
しかし、土壌が合わなかったのか、虫が入ったのか、
残念ながら枯れてしまいました。

少しして、同じ場所に、ケヤキかシロシデに似た葉の幼木が現れました。
背丈80cmほどのオカメササの中から、光を求めて延びて上がって来たのですから、
相当の生命力と成長の早さです。 そのガッツに、
ヨシおまえ、ここで頑張ってみろ!」と励まし見守っていたところ、
まるで「ジャックと豆の木」の如く、あれよあれよとこの通り。
今では屋根より高い高木の仲間入りです。
残念ながらまだ正式な樹種ははっきりしませんが、
玄関前の顔として一役を果たしてくれています。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-15 14:54
2009年 05月 14日

樹アレコレ 5

写真の「ユキヤナギ」には思い出があります。

15年ほど前、親愛なる仲間が新妻をつれて
我が家に来てくれることになりました。
勿論大歓迎!  さて、二人を迎えるに当たり
何か秘策を考えていたところ、妙案を思いつきました。
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その少し前、二人の結婚式に参列させて頂いた時の事です。
真冬のバージンロードは、真っ白なチューリップに埋め尽くされていました。
なんと新郎は、新婦の好きな花を聞いて、
それをオランダから空輸して式場を飾ったとか!

その思いには到底及びませんが、
同じ白の花で、花自身に派手さは無いものの、
咲き開いた姿に歓迎の気持ちが重ねられればと思い、
ユキヤナギを二本植えたというわけです。

そのゲストとは、家づくりの会の田代ご夫妻。
おかげさまで、今では背丈の何倍もの高さになり、
春先の我が家の看板華になっています。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-14 08:35
2009年 05月 13日

樹アレコレ 4

今朝、5時53分。居間から見た「ヤマボウシ」です。
新築時、植えたときには枝幅2m、樹高3mぐらいでしたが、
16年後の今では枝幅6m、樹高5mほどでしょうか。
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ヤマボウシは、アメリカハナミズキの仲間。
でもそこは山紫水明の国らしく、
鈴生りに咲き誇るハナミズキとは好対照に、花はせいぜい枝に3輪程度。
緑葉の中を漂うような白い花は下からは見えず、
気をつけて探さないと気がつかないで過ぎてしまいます。

手前右に一輪咲き出したのは、黄菖蒲。
これからワッと広がって約一月半ほど楽しませてくれます。
中央左は、年に一度の「高崎一日 家づくり学校」の講演台。
今年も奥のベンチで30名ほどの受講者が、
拙い話を聞いてくださいました。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-13 10:24
2009年 05月 12日

樹アレコレ 3

今日は、この時期、もう最後の一輪になってしまいましたが、
一重の「シロヤマブキ」をご紹介しましょう。
これもお隣から8年ほど前に頂いた一株なのですが、
ボリュームとしては3倍ぐらいになりました。
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ヤマブキと言えば、まず深い黄色を思い起こしますが、
その中にあって白の一重は楚々として、
しばしば茶花で使われることもあるようです。
というと、私ごときの柄ではないのですが、
レンギョウや、ユキヤナギのような
賑やかな花が咲き乱れるこの時期には、
まあ一本ぐらいは良しとしましょう。 

晩秋から冬にかけて、花の数だけ左下の黒い実をつけるので、
春にはどんどん新芽が出ます。
増やす気になればそれも良いのでしょうが、
やはりこいつは枝を詰め、
一本だけ隠れ咲くぐらいがいいのでしょう。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-12 09:40
2009年 05月 11日

樹アレコレ 2

住まいの庭に植える樹の選定には様々ポイントがあります。
成長の早さ、遅さや、剪定のしやすさは勿論ですが、
庭に「奥行き」を感じさせる”ワザ”なども、
庭造りの楽しさの一つかもしれません。
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写真は、庭に面したデッキ奥に植えた「トサミズキ」。
丸く小さな葉が可愛らしさと、その遠近感を演出してくれます。
奥に植える樹ほど葉の小さいものを選ぶと、
実際よりもさらに深い距離を感じるというわけです。
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とはいえ、
すべてをそのセオリーで構成するなど素人にはとても無理。
この樹への最大の感謝といえば、
春先、梅の花と入れ替わるように、
黄色い可憐な花が庭先を明るくしてくれることです。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-11 10:17
2009年 05月 10日

樹アレコレ 1

風薫る五月。
唐突ですが、気持ちのよい日は外に出ましょう!
といっても、まだGWを遊び過ごした方々で混雑模様。
ならば、庭にでも出てコーヒーの一杯でも飲みますか!

今週は16年目に入った我が家の庭の”樹”をご案内しましょう。

最初の一本は、「ヤマモミジ」。
義夫妻から新築祝いで頂いたものです。
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モミジ、カエデの種類はその植生から多岐にわたります。
その中で比較的どこでも手に入るこのヤマモミジは、
育てるのにさして手間のかかる樹種ではありませんでした。
葉は中型、形も細くもなく一般的な手形モミジ、
紅葉時はちょっとくすんだ赤から黄色で落葉します。
見事な深紅とはいえませんが、住宅に似合う紅葉といえます。

家族で作った素人庭ですが、
植物の強さ、激しさ、そして優しさを
短い間ですが、お伝えしたいと思います。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-10 13:44
2009年 05月 03日

筍 その二

前便からつづき

厚さ10cm,60kgを遙かに超える石を持ち上げる筍は、
空き家の畳を突き抜けてそそり立っていた竹の昔の記憶を思い起こさせる。
しかしこの勢いは、、と思っていたら、持ち上げていたのは一本では無く大小二本。
しかも五枚手前の石の脇からも別の筍が顔を出している。
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家人だけが通る通路だから、跨いでいけるうちはよかったが、
皮の裏には青々とした肌を覗かせる若竹は、日に日に存在感を増し、
誰が見てもアプローチの主に納まっている。
私はその脇を「ごめんなさいよ」と除けて帰る日が続いた。
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そして昨日、いよいよ竹征伐の日がやってきた。
皮の手袋をはめた手には、年期の入ったスコップ、ツルハシ、クワの3本。
半分持ち上がっている石を体重をかけて手前に倒すと、アラ、びっくり!
若竹の根元には二本の筍が、縁の下の力持ちの如く石を押し上げていた。
それだけではない。
石の下にはまだ陽の目をみない筍の子が寝そべって時を伺っている。
これは征伐ならぬ大収穫!
もう一枚の石も剥がしての合計が、若竹三本、筍五本。
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久々の力仕事でまだ少々肩が痛いが、ツルハシのコントロールにまだブレはなく、
ビシッと決まった一刃が気分のいい休暇の幕を開けてくれた。
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徳井正樹
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# by rijim | 2009-05-03 06:39
2009年 05月 02日

筍 その一

一月ほど前、アプローチの石段がぐらついてきた。

15年前、自分で造成した地面を少し掘って、
天端ならしのために砂を撒いただけの下地に、
渡良瀬川の上流で採掘された御影の屑耳石を
ただ敷き込んだだけの仕事だったので、
雨で砂が洗い流された故の、当然の不具合だ、と思っていた。
ただ、なかなか手が付けられず、この大型連休に片付けようと放っておいた。

しかし、そのぐらぐらは日ごとにひどくなってくる。
これは竹の仕業だな、と気づいた頃には、石段の脇から顔を擡げ、
「どうだ、すごいだろ!」、と言わんばかりの勢いである。

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2009/4/17 07:36
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2009/4/19 07:02
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2009/4/21 06:50

つづく
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# by rijim | 2009-05-02 05:25
2009年 04月 28日

書評記事と15年

拙著の書評記事が朝日新聞の群馬版に掲載されました。
詳しくは朝日コムのサイトをご覧いただければ幸いです。
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000904270001

刊行から2ヶ月、様々な方面から拙著に対するコメントを頂戴しています。
お手紙、電話、メール、立ち話、、そのどれもが”飛び上がるほど嬉しい瞬間”です。
いただいたコメントに共通するのが、「よく続けてきたね」の一言でした。
構想から出版まで約5年。
実質的な執筆は半年あまりでしたが、本のネタとなった探訪は15年を遡ります。
35歳で住まいを群馬に移した頃は、何の思惑も育っていませんでしたが、
目の前に現れる人やモノの魅力に引き込まれるまま、
しかし、ただ過ぎ去ってしまう瞬間をなんとかしようと、
設計屋の本業である「組み立て役」を買って出たまで、、。
これがこの15年間の私の仕事だったのかもしれません。(笑)

あと半年で50歳。
面白くなってきました。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-04-28 06:03
2009年 04月 23日

トークセッションのご案内

なぜ今「瓦」に惚れたのか?
瓦の何が魅力で、弱点は何なのか。
住宅に、設計に、瓦に、街並みに、興味があるなら、
設計屋と瓦屋のガチンコ勝負の行方を目撃してください!
6月6日(土)の夜。
ジュンク堂書店 でお待ちしています。

徳井正樹
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『瓦の本』刊行記念

「だるま窯をつくることから始めた瓦の話」

小林 保(瓦職人)?徳井正樹(建築家)

日時/2009年6月6日(土)19:00?20:30
場所/ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェ
   (東京都豊島区南池袋2-15-5 電話03-5956-6111)

世の中同様、いやそれ以上に厳しい瓦業界。そんななかで群馬県の甘楽町を拠点にしている瓦職人の集団ががんばっています。機械化によって失われた瓦本来の力強さや美しさを取り戻そうとつくっただるま窯。その一部始終を、子どもでもわかるように絵本にしたのが、瓦の本です。瓦のことを知りたい方、現代の住まいに合った瓦をお探しの方、日本の伝統技術はどうなるのだとお嘆きの方、是非、お聞きください。

<講師>
小林 保(こばやし・たもつ)
1964年、群馬県甘楽町生まれ。「新屋根開拓集団 屋根舞台」代表。富岡製糸場の瓦をつくった瓦屋の四代目。『瓦の本』の制作委員長。

徳井正樹(とくい・まさき)
1959年、群馬県桐生市生まれ。建築家。今年2月に刊行された著書『風土素材の源流を歩け』(彰国社)でも住まいづくりと瓦について書いている。

入場料は1,000円(ドリンク付き)。定員40名。
申し込みは電話かジュンク堂書店池袋本店1階サービスカウンターで。
くわしくは HYPERLINK "http://www.junkudo.co.jp/%82%F0%82%B2%97%97%82%AD%82%BE%82%B3%82%A2" http://www.junkudo.co.jp/をご覧ください。
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# by rijim | 2009-04-23 14:00
2009年 04月 15日

竣工前夜

10ヶ月に渡る工事が今週末に竣工する。
ご夫妻お二人で暮らす住宅の中に、
バイオリンが響き渡る音楽室や
トンボ玉づくりのバーナーが火を噴くアトリエなど、
多くの要素が組み込まれた。
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検査を終え、産声直前の我が家を仰ぎ見る建て主には、
長い長いあと三日間。
しかし我々にとっては、
この時間が最後の大舞台でもある。

徳井正樹
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# by rijim | 2009-04-15 18:41
2008年 12月 26日

追入小根ホゾ鯱締め

谷川岳から吹き下ろす北風に身体を固めながら、
来春の建前に向けて刻み加工が進む加工場を訪ねました。
そこで目にしたのが、棟梁による写真の加工技。
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一尺二寸の栗の大黒柱に組まれる太鼓梁に施された
「追入小根ホゾ鯱締め」のための長いホゾ加工。
あらためて掌でその技を確かめながら、
この国の礎(もとい)を感じました。

徳井正樹
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# by rijim | 2008-12-26 08:04
2008年 11月 23日

ペアガラス

ペアガラスの製造現場を見る機会を得ました。

そう云えば、拙宅を建てた15年前。
ペアガラスはまだ普及品とは云えず、特に大判は高価で、
採用には躊躇した覚えがあります。
しかしその効果は絶大で、敢えて同室に組み込んだシングルガラスが、
遠い過去の製品に感じます。
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写真は、2枚のガラスの間に挟まれたガスケットを
高温で接着固定させている工程。
ペアガラスは意外にシンプルに作られていました。
視察で見た工場は、ほぼ受注生産の木製サッシの一ライン。
大手ガラスメーカーのそれとは比較にならぬほどでしょうが、
これまで”規格品の中から選ぶモノ”と考えていたガラス製造とは逆に、
「これならどんなガラスでも気軽に頼めるかも!?」
と、手づくり感が伝わってきました。
やはり、”現場”には資料では伝わらない”感触”があります。
徳井正樹
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# by rijim | 2008-11-23 10:14
2008年 11月 21日

火鉢

この冬、我が家に小兵なる助っ人が加わりました。
「手火鉢」です。
年代物のいぶし瓦製で岡山から送られてきました。
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その昔、客人をもてなすには、
最初に座布団を用意し、次に火鉢を出し、そしてお茶。の順と聞きます。
我が家では、そこまで細やかな役目ではありませんが、
この火鉢、なかなかパワフルで、テーブル下に置くと
まるで炬燵のような温もりが足下からじわっと上ってきます。
炭を入れる籠、火箸など小物を探す楽しみも味わい、
この冬、しっかり活躍してくれそうです。
徳井正樹
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# by rijim | 2008-11-21 07:55
2008年 11月 05日

杉杢雨戸

三日前に竣工した家には木の雨戸が納まりました。
これがいい風情を庭と景観に醸し出しています。
アルミ製のシャッターにはどうしても作れないこの表情。
スイッチ一つで開け閉めは出来ませんが、
そういえば四十年前、雨戸を閉めるのは八歳の私の仕事でした。
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滑りの良くない板戸をゴロゴロと引っ張りながら
縁側の六枚を開けきった瞬間が朝のはじまり。
今から思うと、なんだか昔話のようですね。
徳井正樹
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# by rijim | 2008-11-05 03:58