徳井正樹の「小坂山日記」

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2011年 03月 03日

伐りだし体験会2

2/27に行った「大黒柱伐りだし体験会」の2便。

最初の伐採樹木には「アクダラ」が決まった。
建築関係では「栓(センノキ)」と呼び、造園業者の間では「ハリギリ」の名で通る。
色は白く、ホワイトアッシュに似るが、板目面の光沢と年輪が美しく、
製材後の肌目は楢やシオジほど詰んではいないが、甲板などには定評がある。
幹の直径はおよそ60cm。これだけあると広幅のカウンター板などその用途は広い。
今回の利用先もテレビ台や子供室のデスク、階段の段板などを想定している。
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写真奥の人影からして、その太さが解ってもらえるだろう。
樹高は3階建ての屋根を越すだろう、15mはある。
枝を含んだ推定重量は3〜4トン。
一番根に近い本玉からは広幅の上框が取れそう。2番玉はやはり階段板か?
勿論その上の幹や枝からも手摺や窓台やドア枠などなど、、、
とにかく無駄なく使い切るのが鉄則だ。

最初の一刃が入る。皆の視線はその一点に集中。
チェーンソーのエンジン音が山に響く。
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良く研がれたチェーンソーの刃が見る間に幹の内蔵深く達していく。
最初は伐り倒す方向を見定め、幹に楔形の切り口を開け、
次に別の角度からそれを目がけ刃を入れる。
山を守って半世紀の黒田さんは、
樹の重心が徐々に倒れる方向に移って行くのを確かめながら、
すかさず自分の身をその逆へ移動。
とても70歳を越えたとは思えぬ身の軽さだ。

巨体が静かに揺れはじめ、やがてミシミシと軋む声。
静寂な山に緊張感を走り、全員が「ウオーっ!」。
そして数秒後、樹齢105年の「栓」は、3mほど飛びながら倒れていった。
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そのシーンはまるでスローモーションの短編映画を見ているよう。
山での百年の命から「一軒の家族を守る道具」である家に、
その使命が変わった瞬間だった。

つづく

徳井正樹
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by rijim | 2011-03-03 16:12


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